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女性社長割合、不動産業がトップ 産業別調査で21%に 東京商工リサーチ

女性社長割合、不動産業がトップ 産業別調査で21%に 東京商工リサーチ

 東京商工リサーチの調査によると、産業別に女性社長の割合を見た場合、最も高かったのは「不動産業」で21.0%だった。2位の「サービス業他」(15.4%)、3位の「小売業」(13.6%)を大きく引き離した。同社では、「女性の起業は、個人向けサービスなどの暮らしを充実させる分野での事業展開が多い。女性視点による商品開発やサービス提供が、新たな需要を掘り起こしていることも女性社長の増加に影響している」と話している。

 14年12月時点の全国267万社を対象としたもの。10年の調査開始以来で女性社長の数は最多の約31万人(前回調査は約28.5万人)に上り、割合も11.6%(同11.1%)に増加した。


渋谷に大型ショールーム リノベーション住戸を再現 インテリックスグループ

渋谷に大型ショールーム リノベーション住戸を再現 インテリックスグループ

 インテリックスグループ(インテリックス、インテリックス空間設計、インテリックス住宅販売)はこのほど、渋谷に一般消費者向けのショールーム「青山リノベーションスタジオ」をオープンさせた。主力の中古マンション再販事業に加えて、リノベーションを一般消費者から直接請け負う事業も強化する方針を打ち出し、ショールームをその足掛かりとする考え。
 2014年に買い取ったビルを改装し、6~8階部分をショールームにした。セミナーなどを開催するカフェ併設のフロアや、リノベーション後の住まいを体感できるフロア、メーカー各社の設備や建具などの製品を展示するフロアを設けた。JR山手線、東京メトロ半蔵門線・銀座線、東急東横線・田園都市線渋谷駅から徒歩10分の立地。


ビルの広告看板、全国で1500棟を是正指導

ビルの広告看板、全国で1500棟を是正指導

 国土交通省は4月27日、2月17日付けで都道府県を通じて特定行政庁へ行うよう通知した広告板の調査について、結果を取りまとめ、公表した。
 対象は、完成後10年以上経過し、市街地の中心部などにある外壁に広告板が取り付けられている3階以上の建築物で、7万1542棟に上った。調査報告があったのは、4万8204棟で、このうち、是正指導が必要ないとされた建築物は4万6688棟。必要とされた建築物は1516棟だった。調査期限内に報告がなかった建築物や所有者の特定ができなかった建築物は2万3338棟で引き続き調査を行う。
 広告板については2月15日、札幌市のビルの看板が落下し、20代女性の頭部に当たる事故が起きていた。


フィアスホーム、広島に「アリエッタ」の新モデルハウス開設

フィアスホーム、広島に「アリエッタ」の新モデルハウス開設

 LIXIL住宅研究所(東京都江東区)フィアスホームカンパニーのFC加盟店である フィアスホーム広島北店は、スマートタウン「春日野 THE TOP」に「アリエッタ」の新モデルハウスを完成させた。5月2日からプレオープン、5月9日にグランドオープンする。同店は、広発ブレイン(広島市)が運営している。
 同モデルハウスは、冬暖かく、夏涼しい快適な暮らしを可能とする構造材一体型の高性断熱パネル「粘震+eパネル」や高性能サッシを採用。部屋間の温度差をなくし、ヒートショックを予防する取り組みなどを提案している。
 暮らし方の提案として、アイランドキッチンをダイニングテーブルとつなげて、食後の後片付けの効率化を図っている。リビングには、季節用品などを収納できる「リビングコンテナ」を設けた。


コープネット、飛騨高山森林組合と事業提携

コープネット、飛騨高山森林組合と事業提携

 関東信越の6生協からなるコープネット事業連合(さいたま市)と同連合の子会社であるコープサービス(同)は4月24日、飛騨高山森林組合(岐阜県高山市)と事業提携を締結した。また、継続して森林整備および環境保全に努める「健全で豊かな飛騨高山の森づくりを進める共同宣言」に調印した。
 この提携により、飛騨高山森林組合は持続的な森林管理と高品質でトレーサビリティが確保された木材を安定的に供給する。
 コープサービスの住宅事業部であるコープハウジングは、同組合から供給されるヒノキとスギを建築材料として使用することで生産地と消費地をつなげ、「健康で豊かな飛騨高山の森づくり」に貢献していく。
 また、今回の共同宣言に基づき、同組合の森林1ヘクタールを「コープハウジングの森」として同連合が借り受け、2016年から毎年約300本の杉苗の植樹を組合員とともに実施する。


山口でワークショップ形式による伝統的家づくりが完成

山口でワークショップ形式による伝統的家づくりが完成

 山口県で地域型の木造住宅にかかわる設計者、施工業者と生活者が集まったグループ、山口民家作事組(やまぐちみんかさくじぐみ)による木と土の家がこのほど完成した。

 一般生活者向けの家づくり講座の一環として作られたもの。講座は全13回で、プロの指導のもと材料の加工から建て方まで参加者自ら行った。広さ2畳ほどの建物だが、仕口、版築、小舞壁など山口の伝統的な方法で建てた。また、屋根にスナゴケによる緑化を取り入れるなど新しい技術にも取り組んだ。
 同グループでは今年度の取り組みとして、この建物を使って温熱環境の検証を行うとともに、伝統的な家づくりを伝えるセミナーなども開催していく予定。


カブク、木材を利用した3Dプリントサービスを開始

カブク、木材を利用した3Dプリントサービスを開始

 デジタル製造技術をコアテクノロジーとしたプロダクト・サービス開発を手がける「かぶくもの」集団、カブク(東京都渋谷区)は4月28日、同社が展開する3Dプリント製品のマーケットプレイス「Rinkak(リンカク)」にて、木材を利用した新素材「ウッドライク」による3Dプリントサービスを開始した。
 「ウッドライク」は、木のような温もりある見た目や手触りを3Dプリントで表現することができる新素材。空洞やチェーンのような連結形状も製造可能なため、これまでの木工技術では難しかったデザインが実現する。間伐材を原料としており、環境にも配慮された材料。
 新素材によるサービス開始を記念して、「リンカク」に出品されている作品の一部をウッドライク素材で3Dプリントし、専用ウェブサイトにて販売する。また、記念キャンペーンとして「リンカク」上の購入・試作が全て20%OFFになるクーポンを配信する。詳細はこちらに記載。
 「リンカク」は、3Dプリンターなどのデジタル製造技術を用いた新しいものづくりマーケットプレイス。ユーザーは「リンカク」に3Dデータをアップロードするだけで高性能な製造設備でプロダクトを製造・販売できる。


第3回 港湾税関建物のリノベーション

第3回 港湾税関建物のリノベーション

 大久保慈
 ヘルシンキはバルト海に面した小さな港町だ。バルト海に面してかつては航路の要所であった。地図でみると実際に要塞として整備され、現在は世界遺産となっているスオメンリンナ島などの島々に守られるようにして、ヘルシンキの港がある。そこにはマーケット広場があり、市役所があり、首相官邸が並ぶ。華やかな新古典主義の建物が低層で並び、その背後に大聖堂やら元老院教会などといった塔が点在して見える。これがヘルシンキというこの国の首都の玄関であり、その海側からのエレガントなシルエットをヘルシンキの建築家たちは大切に守り抜いてきた。
 じつは今回書こうと思っていたのは、このシルエットを作る港湾沿いの建物の事だ。先ほど書いた通り、ヘルシンキの建築家たちというのはこの海沿いの景観を大切にするあまり、対岸のエストニアの首都タリンの港湾沿いの旧市街の景観保存に口を出して嫌がられたこともある。スイスの有名建築家がヘルシンキ港沿いにガラスでできたような超高級ホテルを設計した時にも、結局追い出してしまった。つまりこの地のこの景観は聖域のようなもの。そんな建物群のひとつが旧港湾税関の煉瓦造りの建物だ。ロシア統治時代、1901年の建物だ。建物自体は左右対称のクラッシックなもので、北側は事務所棟、南側が倉庫として使われてきたものだ。じつはこの倉庫棟。見た目は煉瓦造で事務棟と変わらず立派なものだが、暖房設備もなく、ドアはスチールで目張りもないので風が吹き抜ける。本当に倉庫なのだ。この一等地にて保存されているがゆえに、もともとの役目を終えてからというもの10年ほども使い道がなく、空き家になっていたのだ。
 私は設計事務所の所員として、行政に対してこの建物の使い道を提案した。地域に不足している施設を調査した。また実際に建てたがっているオーナーがいるが実現されていない施設などの情報を集めてきたのだ。噂を聞きつけた建築歴史家から電話がかかってきたりと、なにやら不穏な動きもあったのだが、結局4案を提案した。しかしながら、心のどこかで少しの不安があったのだ。建物が十分な収益を上げること。保存することも大切なのでなるべくオリジナルに近い形で保存したい。なるべくなら公共性の高い施設として市民に開放したい。港湾地区が保存を目的とした、死んだ動物を並べた博物館のようになってしまっては困るので活性化できるような施設にしたい。などといった要望をすべて満たすような提案ができたのだろうかと考えるといくつかの案は心もとない。
 結局採用されたのはヘルシンキのデザイン関係のショールームとイベントのスペースであった。それにはヘルシンキがデザインを地域ブランドの軸のひとつとして掲げていたことも大きい。建物の経年変化を味があるとか美しいと評価してくれるようなクライアントであり、おもに消防法などの法規に順守するべく、私たちは行政との折衝、運用を規定することで建物のそのままの形を残すというような少し例外的な緩和もしていただいた。結局のところは避難階段を追加し、避難経路のサインをつけるまでに留まったのだ。元の建物のスタイル、素材などが100年以上もたってあまりにも格好よく見えたのだ。この建物は2012年のワールド・ザイン・キャピタルの拠点になった。その後の様々なイベントに使われているようである。
 建築は、都市の中で活き活きと使われていくことに意義があるのだと思う。そしてなるべくならオリジナルの状態で残された建物は後々にその時代のスタイルを代表し、格好いいとか素敵だというような栄誉を受けるのだと思う。今回、リノベーション記事ではあるが、建物にはほとんど手を付けずにして、建物の用途と街の賑わいとをリノベーションした例である。

リノベーション・ジャーナルから転載

 

大久保慈 Okubo Megumi
 
建築家

1974年生まれ。1998年明治大学理工学部建築学科卒業。2009年ヘルシンキ工科大学(現アールト大学)建築修士修了。1999〜2012年フィンランド在住にてR-H Laakso、JKMM、K2Sなどの現地事務所勤務の後、2012年から日本に活動拠点を移す。フィンランド建築家組合 (SAFA)正会員。著書に「クリエイティブ・フィンランド-建築・都市・プロダクトのデザイン(学芸出版社)」
http://www.megumiokubo.com



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