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08 7月 2015

第2回 価値観はどんなお客様にも届くのか

 武田純吾
 アーキテクトビルダーや工務店の悩みとして、設計士によって深さの違う建物ができることで、お客様にどこまでできるかを説明しにくい部分があると思います。
 お客様には、会社の考え方・設計のコンセプトなどは伝えますが、お客様がどこまで理解してくれるかも分かりにくいものですし、設計士によっても価値観が違っていたりしますのでどこまで話すか線引きが難しいと思います。
 写真1枚とっても、「人が入っていたほうが生活イメージが湧く」というお客様もいれば、「これは、光の入り方、外との繋がりを指している」というお客様もいると思います。
 そのため、「お客様はこの価値観を分かってくれるのか?」「わからない人に話をしても仕方がない」という考え方も分かります。
 そこで、ハウスメーカーで建てた方や建売で買った方、マンションを購入した方など代表して5名の方に価値観や考え方が変わるか試しました。
 実際に家を建てているので、「自分の家が一番良いと思っているであろう」という前提で行いました。
 最初は、こちらの考え方など伝えず、写真やモデルハウスの意見などを聞いてみたところ写真に対しては、「人が居ない」「暗い」「どこの場所なのか分からない」という答えばかりでした。
 しかし、写真の意味などをしっかりと説明し、2回、3回と会を重ねるごとに価値観が変わってきました。
 感じたことは、最初からテイストが好きな方はいいのですが、元々よく分からないという方やハウスメーカーなどで建てた方も短期間で価値観を変えることができる、ということです。
 自社が自ら集めたお客様でなくとも価値観を変えることができるので、様々な機関と協力し、話す機会を増やせばいいことも理解しました。
 そして、自社最高の設計士基準に合わせるか、できる範囲の設計士基準に合わせて話をするということも、最終的に選ぶのは自分自身で自己責任だからということで、最高の基準をベースに話をすれば良いということでまとまりました。
 そうすることで、単価が上がる可能性、お客様による設計士の育成の可能性も拡がります。
 後は、誰しもがその話を熱く語ることができるように標準化し、機会を多くつくることができたら受注率も変わってきます。
 見た目(デザイン)や印象だけではなく、本当に価値のある家や大切にすべきことをしっかりと伝えることが大事ですね。
 

武田純吾 Takeda Jungo

株式会社シンミドウ
営業戦略・ブランディングコンサルタント
大学卒業後、株式会社シンミドウに入社以来、住宅業界に特化し全国にて業績UPコンサルティングを手掛けてきた。実務派であり、経営者と理論だけを語るのではなく、経営者・現場スタッフと共に成長するSTYLE、企業風土にあった営業手法を創り上げ、成功事例を基に全てオーダーメイドで業務の提供をしている。また、「結婚式と同じ感動を」をテーマに感動の引渡しプロデュースにて約7割の施主様から感動の涙を頂いている。コンサルティング内容、引渡しプロデュースにて高い評価を得ている。