20 2月 2015
積水化学工業 住宅カンパニー 生産工場の魅力化計画 3年で170億円を投資 – オンライン記事
<積水化学工業の住宅カンパニーでは、全国8カ所の住宅生産工場の魅力化推進計画を進めていく。建築現場工数の30%削減、工場見学者の倍増という目標を掲げ、2014年度からの3カ年で170億円規模の投資を行う。>
積水化学工業の住宅カンパニーでは、日本国内では8カ所の生産工場において、鉄骨系住宅「セキスイハイム」、木質系「ツーユーホーム」などのユニットを生産している。ユニット住宅に対する強いこだわりを持っており、工場生産ならではの高い品質と業界トップクラスの短工期や現場作業数の少なさが同社の強みになってきている。
新築マーケットが縮小していくなかで、同社ではあえてユニット住宅にこだわり、工業化住宅の原点回帰を推し進めようとしている。
その具体策としては、全国8住宅生産工場において、「魅力化推進計画」を進めていく。2014年度から2016年度の3年間で、170億円規模の投資を行い各生産工場の機能強化を図っていきたい考えだ。
今後の人材不足に対応
建築現場工数を3割削減
生産工場の魅力化推進計画の目的のひとつが、今後の人材不足への対応。
現在、住宅産業界では深刻な人材不足に直面しようとしている。施工業者の高齢化や少子化による新規入職者の減少、さらには東京オリンピックなどによる建築需要の増加によって、施工業者が絶対的に不足しつつあるのだ。この傾向は今後さらに深刻化すると言われている。こうしたなか、現場での施工手間を大きく削減できる工業化住宅の特長があらためて見直されようとしている。
積水化学工業でもこうした点を考慮し、生産工場の機能強化を図り、現場の施工行程をさらに削減していきたい考えだ。具体的には、2017年度までに建築現場工数(130㎡)を現状の100人工から70人工まで3割削減していく。そのために、工業化率の引き上げが重要になる。
消費者の多様なニーズに対応するなかで、商品や部品の点数などが増加し、工業化率が下がってきている。
しかし、主力商品のひとつとして発売した「スマート・パワー・ステーション」は、工業化率の向上を意識した商品開発を行った結果、70数パーセントにまで工業化率が改善しているという。
こうした取り組みを他の商品にも水平展開し、再び工業化率を80%台にまで戻していきたい方針だ。