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07 12月 2015

ムーブオン株式会社(東京都八王子市)


顧客の要望以上の製品で「感動」を!


代表取締役 中村 光 様

■ムーブオン 株式会社(東京都八王子市)
(業種:機械メーカー・サイン事業)
直営オンラインショップ ナビポタ.com

導入機器:UJF-3042HG、UJF-6042、JV33-160、JFX200-2513

代表取締役 中村 光 様

ムーブオンは2007年に電子機器メーカーとして創業。山歩き用のGPSナビゲーション「ヤマナビ」やモバイル端末用の大容量バッテリーなどの製品を世に送り出している。事業の広がりから徐々にミマキエンジニアリングのインクジェットプリンタ(IJP)やカッティングプロッタを導入。仕事の領域を広げていった同社の歩みとともに、ミマキ製品を選んだ理由を中村様にお話を伺った。


カーナビからモバイル関連品へ


カラフルなデザインのモバイル端末用バッテリー

当社の創業は2007年。私が前職でカーオーディオ・カーナビゲーションの市販向け商品企画をしていたこともあり、最初に製品化したものはシンプルな超薄型のポータブルカーナビゲーション(PND)でした。その後、PNDの差別化を突き詰めた結果、当時登山や山歩きがブームとなり「山ガール」という言葉も聞かれ始めた2009年に山歩き専用のナビゲーション端末「ヤマナビ」を開発しました。

おかげさまで、TVでも取り上げられたこともありましてこれがヒットしました。ただし販売する過程で出た課題が、充電が切れてしまうこと。山に入ると登山者は2、3日電源のない世界にいることになります。充電がすぐに切れては使用できないので、当社から「ヤマナビ」用に携帯が簡単なサイズである大容量予備バッテリー「PS8800」を発売しました。
このバッテリーが当時、販売に火が付き始めていたスマートフォン用に活用され始め、さらにネットを通じて話題となったことから、ヤマナビ以上のヒット商品となりました。


IJP「UJF-3042HG」導入とスケッピの販売開始


「UJF-3042HG」により既存製品との差別化が可能という中村様

スマートフォンの普及スピードが非常に速く、スマートフォン周辺アクセサリーも非常に活況であったときにバッテリーに次ぐ新しい商品として、スマートフォンケースを取り扱いたいと考えました。スマートフォンケースの場合、既製品を販売していては、大手との差別化ができず、先発の会社さんとは価格競争で負けてしまいます。

そこで、当社ではスマートフォンケースにオリジナルプリントするオーダーメードが特徴の商品「スケッピ」を2013年にリリースしました。多くの機種への対応と、完全オーダーメードでも最短即日発送の短納期が特長で、非常にお客さまからの満足度が高い商品となりました。

このときに初めてミマキさんのUV硬化型フラットベッド機「UJF-3042HG」を導入しました。同マシンはプリントスピードが速く、ケースを1個から生産できます。
スマートフォンケースのプリントは、かつて中国に生産拠点を求めていましたが、「UJF-3042HG」の導入により、自社で工程をハンドリングできるようになりました。


量販店の装飾事業を展開


スケッピの販売により、数社の大手量販店と取り引きが始まりました。その過程で完全オーダーメード商品のスケッピを売り場で説明する必要が出てきたのです。人を立たせておくわけにもいかないので、サインで説明することになりました。

そこで導入したのがエコソルベント機の「JV33-160」です。店頭でのスケッピ申し込みを促すビジュアルボードを同機で出力しました。この出力物の出来を、量販店の装飾を担当する会社に気に入っていただき、店舗装飾の事業を開始しました。自社の出力物にとどまらず、JV33-160の活躍する領域が広がっています。

ブランドイメージをアップする品質


大手量販店の店内装飾プリントに採用されている「JFX200-2513」

さらには2014年、フラットベッドタイプの大型UV硬化型機「JFX200-2513」も導入しました。
同機は両面への出力をズレなく正確にできるため、量販店の売り場で掲出されるPOPなど、来店者から両面を見られる制作物で力を発揮しています。

両面サインは従来、出力したものを貼り合わせるなどで対応していたのですが、貼り合わせるのには時間も技術も必要でした。JFX200-2513の導入により、この課題は一挙に解決されました。

ある大手量販店では、自社のブランドイメージを引き上げたいという要望があり、当社がこの要望に合わせた装飾や出力物の提供を行っています。ミマキさんのマシンは売り場の品位をアップできる品質を持っています。


厚く、硬い素材のカットが可能な「Kongsberg XN」

これらの需要にさらに応えるため、ミマキさんが扱うコングスバーグのカッティングプロッタ「XN」も導入しました。
XNはリボードやハニカムボードなど、硬くて厚い素材をカットできます。
軽く、耐久性のある素材は、サインとしてはもちろん建築関連での需要もあり、当社の仕事の幅をさらに広げてくれそうです。


グッズ製作でわかった「UJF-3042HG」のすごさ


ムーブオンの商品に新たな価値をもたらした「UJF-3042HG」

「UJF-3042HG」では、新たな展開もありました。
スケッピをはじめとしたスマホ関連の製品作成で力を発揮してきましたが、昨年(2014年)の夏あたりから、アニメやキャラクター関連のキーホルダーなどをつくるグッズビジネスの出力依頼が増えているのです。

この仕事で、あらためてUJF-3042HGのすごさが分かりました。
まずは「スピード」、グッズ製作のビジネスは納期が非常に短いことが特徴です。
データが午前中に届き「今日、明日中にも発送してほしい」といったお願いや、数万個の製品を1週間程度で納品するといったかなり厳しい納期対応をしなければなりません。UJF-3042HGのスピードは、この納期に十分対応できるものです。

当社では「追っかけ印刷」と呼んでいるのですが、同機の特長である白インクを打ってすぐにCMYKを出力できることが最大のメリット。他社のIJPではこれができないのです。


フォローの迅速さで大量受注も安心


また、「生産量」が多くなれば、機器に耐久性も求められます。当社では月7万個のグッズを生産したことがあります。大量受注の場合、万が一IJPが止まってしまえば、顧客に大きな迷惑をかけてしまいます。
その点、機器の耐久性も高く、サポートが迅速で、的確なミマキさんがパートナーであれば、安心して大量の注文をいただけるのです。もちろん、ランニングコストや品質も十分だと感じています。

当社ではグッズ製作でIJPに求められる性能の優先順位は
①スピード
②生産量に対応する耐久性とサポート
③コスト
④品質
の順番と考えております。
優先順位はけっして品質を軽視している結果ではなく、ミマキさんの機器やサービス体制だからこそ、品質にはもともとの自信があるため、このような考えに至っております。品質は良くて当たり前の時代なのです。

ものづくりの喜び広がる

以前の仕事では設計だけをして、実際に組み上げるのは中国や韓国などの諸外国でしたが、IJPを導入してから、自分の手元で製品が出来上がっていく姿を見られるようになりました。手の足りないときは、私自身もIJPを使って出力しています。本物の職人さんに言えば笑われそうですが、IJPでものづくりの喜びを知ることができました。

製品は他社との差別化を意識し、競合しないムーブオンでしか考えつかないような独自のものを作りたい。将来はさらなる設備投資を行い、IJP、カッティングプロッタ、3Dプリンタなどを活用し、製品の完全な自社内生産を実現したいと考えています。

私はお客様の要望を聞き、その要望以上の製品を作って頼んだ方を感動させたいと思っているのです。それを実現させるためにミマキさんと一緒に考え、同社の製品をさらに活用できればうれしいです。


グッズ製作で、アクリルをカットできるレーザーカッター。「UJF-3042HG」などと組み合わせて使用する


グッズ製作の需要増大で新たに導入した「UJF-6042」