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11 12月 2015

不正杭打ち問題を信頼に生かせ 緊急セミナー名古屋・大阪で

 木構造の技術研修を会員制で行う構造塾(新潟市中央区)は、マンションなどで杭施工データの改ざんが次々発覚している問題を受け、工務店への情報発信を強める。11月10日に東京都内で開催した緊急セミナー「住宅業界がいま行うべきことは何か」が定員の2倍にあたる100人の参加となったことから、名古屋・大阪での追加開催を決めた。

 同塾の佐藤実塾長は「一般の人が地盤に不安と関心を持っているいまは、技術のある工務店にとってチャンス」と指摘。ただしあくまで「杭」が関心の入り口になっていることから「そもそも大型建築と住宅の違い、杭が必要なケースと杭以外の補強法、その判断基準といった地盤の基本知識を設計者がきちんと持っているかが前提」と話す。
 そのうえで佐藤塾長は「『うちは真面目だから大丈夫』『うちはベタ基礎だから安全』といった根拠のない説明を改めることが急務」と強調。「知識の乏しさは施主から見透かされるうえ、混乱を招くもとになる。逆に設計者が地盤を理解し、自分の言葉で説明できれば信頼の武器になる」といい、緊急セミナーで押さえておくべきポイントを解説する。
 同塾では地盤調査・解析から補強工事、基礎・構造検討、設計・施工まで一体となった家づくりをサポート。形式的な第三者チェックではなく、個々のプロセスに立ち会って資料やデータ、計算書や図面を検証し改善点をアドバイスする。設計者の判断を手助けし、構造に関わる一連の業務をワンストップでフォローしていく考えだ。
 緊急セミナーは名古屋会場が12月17日、大阪会場が12月22日。参加費はいずれも1000円(構造塾会員は無料)、定員50人。問い合わせはエムズ構造設計東京事務所TEL:03・5542・1976まで。詳細はコチラから。