16 11月 2015
SG版画用紙『白樺』 by 栗田ふみかさん
こんにちは、クドウです
…..1ヶ月ぶりの更新です
すっかり秋も深まってきてしまいました
そこで、ちょっと温めていたネタをご案内しまーす
数年前からご縁のある女子美術大学の院生の栗田ふみかちゃんが制作にアワガミを使って下さることがあるのですが、7月にジネンギャラリーさんでの展覧会におじゃました時、一部の作品にアワガミの「白樺」を使ってくれていました
私の大好きな「お風呂」シリーズ
栗田さんの「お風呂」シリーズは8月に羊画廊さんでの個展でもたくさんお披露目されたそうです
一番気に入った作品に「白樺」が使われていたのが嬉しくて購入させてもらったのですが、その後、この紙の使用感についてのコメントを頂きましたのでご紹介させて頂きます
白樺はパルブ100パーセントということもあり、触り心地で既にわかりますが、摺心地も大変柔らかいです。
そしてにじみやすいことが特徴ですので、その特徴を作品にどう生かすかが面白いところだと感じています。
私はごま刷りを自分の作品の中に持ち込むのがあまり好きでないので、例えば白峰のような麻が入っている紙などは強すぎて苦手なんですね。また基本的に力が弱いので、柔らかい紙の方が扱いやすいということもあり、白樺はこれから先も使っていきたいと思っています。
このパルプが主原料であることで合わない版種、合わない摺り方もあるのですが、栗田さんはこの特性をうまーく使い分けて創作に取り入れてくれています
「白樺」は、平滑面が滲み止めがきいておらず、ラフ面に少し滲み止めをきかせているのです。
よって、平滑面で摺るとやわらかくインクを吸い込みます。
平滑面、ラフ面との面質や仕上がりの差で、両面を使い分けられる方もいらっしゃるようです
比較的リーズナブルなので、特に学生さんに使ってみてもらいたい素材のひとつでもあります
求めた作品は会期後にギャラリーに取りに伺ったのですが、この時とっても感心したのが、ジネンギャラリーさんできちんと作品証明書をご用意下さっていたこと、そして作品は栗田さんがお手紙付きできれいに包装して下さっていたこと
心遣いが素敵だなぁと思いました
そして栗田さんは「アワガミ国際ミニプリント展2015」にも「お風呂シリーズ」を出品してくれていたのですが、その作品は賞候補に
本作品はアワガミではないのですが、インクの乗り具合も「白樺」とはまた違った仕上がりでとてもすてきで、実はこちらも頂いてしまいました
只今、この2点、どんなフレームに入れて、どこに飾ろうか思案中です
栗田ふみかちゃんと「白樺」、ぜひご注目下さい