26 12月 2012
受け継がれしもの!
マヤ歴がバージョンアップし新しい世界を迎え、クリスマスも何事もなく過ぎ、年の瀬も迫っております。
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
さて、700号企画「建築知識版 日本の住宅を変えた50人+α」。
現在、さまざまな方にご協力をいただきながら制作を進めており、掲載予定の作品のお写真や図面がぞくぞくと集まり始めています。
ご提供いただいた図面を眺めていると、日に焼けた紙に詳細に書き込まれた手書きのものから、CADによるものまでさまざまで、日本の住宅設計の歴史に直で触れているような、脈々と受け継がれてきたものを見ているような、なんともいえない高揚感に包まれます。
ああ! みなさんにも早くこの感覚をお伝えしたいです!
ところで、受け継がれてきたモノは小誌「建築知識」にもございます。
いろいろと教えてくれている先輩が、新米建築編集者のわたしに最初に教えてくれたことは「人目を引くガラスの建物とか、かっこよくていいけど、『建築知識』は、実際に生活するひとのことを考えた建築を紹介したいし、多くの設計者が真似できる、真似したいと思えるような内容にすることが大切」ということでした。
なるほど! とノートにメモを取ったわたしですが、先日ぱらぱらと「建築知識」のバックナンバーを見ていて驚きました。
1959年の5月号の編集後記に、「庶民的な建築に取材の重点をおくという本誌の編集方針は今後もかわることはないでしょう。」と書かれていたのです。
映画監督の黒澤明がインタビューで答えていたのを読んだことがあります。
「映画をたくさん見なくても映画監督にはなれる。でも、いい映画監督にはなれない」
何においても、そのものの歴史をより深く知ることが、よりよい今をつくっていく。
700号の編集をしながら、「建築知識」のバックナンバーを見ながら、思うことです。