地域と人と関わり、暮らしの風景をつくるのが工務店
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新建ハウジング主催「地域工務店ミーティング in 愛知」
新建ハウジングは5月22日、愛知県名古屋市で「地域工務店ミーティング in 愛知」を開催した。今回で12回目。愛知県内から工務店経営者ら13社13人が参加し、編集部を交えて今後の工務店のあり方や住宅市場への取り組み、地域との関わりについて意見を交わした。ミーティングの様子を詳細にお伝えする。(文中敬称略)
工務店ミーティング参加者
豊和住建[大府市]代表取締役 川口満人さん
都築建築[西尾市]代表取締役 都築大輔さん
iiie[知多郡東浦町]代表取締役 竹内修造さん
アニバーサリーホーム[大府市]代表取締役 宮田裕一さん
丹羽明人アトリエ[小牧市]代表 丹羽明人さん
K’z HOME[半田市]代表取締役 加藤計元さん
カワイ建築[春日井市]代表取締役 河合 忠さん
創住環[岡崎市]常務取締役 萱森道泰さん
葵建設[名古屋市]代表取締役 岩塚 真さん
阿部建設[名古屋市]代表取締役 阿部一雄さん
FPコーポレーション 営業部 名古屋営業所長 大熊伸秀さん
チリウヒーター 営業企画室 室長 川合英二郎さん
シンホリ 事業推進部販売企画課課長 小山雅弘さん
地域密着を重視する工務店だからこそ「できること」は何か?
編集部:皆さんの取り組みについてお伺いしたい。愛知県という地域でどのように仕事をし、どうしていこうとされているのか。
川口満人氏[豊和住建]:うちの仕事はすべて注文住宅とリフォームで、現在の受注はずっと上がらず下がらずを保っている。顧客は常に変化しているのだから、勉強しなければいけない。私は名古屋の街を歩きながら人々の服装を見たり、周辺でどんな工事をしているのか見て、新しい情報を吸収している。
都築大輔氏[都築建築]:このまま目先の仕事をこなしているだけでは数年後には受注がなくなり「さあ困った」となるだろう。何かやらなければならない。「これだ!」と確信はないが、マンションのリノベーションをしたり、色々な勉強会に出ている。そうした中、長期的に見れば当社の仕事が地域に浸透することが重要だと考えている。
竹内修造氏[iiie]:私は「地元でご飯を食べる」ことを大切にしている。仕事は会社のある東浦という町とその周辺だけに絞っている。うちという会社が、地元の職人を使って地元に家を建てていることを知ってもらうことが大切で、そのためにエリア内の市町村一つに必ず現場が一つあるようにしている。
宮田裕一氏[アニバーサリーホーム]:当社も「地域」重視。とことん地域密着にこだわっている。当社が仕事を受けるのはGoogleマップで25分以内のエリアだけ。それを1分でも超えたらお断りをする。25分を越える現場はメンテナンスが大変だし、お客様も当社に打ち合わせに来るのが億劫になる。どちらかが億劫だと思う仕事では良い仕事にならない。
丹羽明人氏[丹羽明人アトリエ]:職人がつくる木の家ネットなどとつながりながら、その地域に根ざした家づくりを考えている。また、私がやっている木の家は伝統的な構法に近いが、昔ながらの家を再現するつもりはなく、刻々と変化する今の生活に合うものをつくりたい。ただ、住まい手に伝えることが難しい。発信力が低いのが弱点。
加藤計元氏[K’z HOME]:知多半島にふさわしい家づくりを徹底したい。日本全国どこに建てても同じ家ということはない。知多半島は、冬はマイナスにはならないけれど、10℃以下になって寒いし、夏は暑い。当たり前だけれど、夏涼しく冬暖かい家を建てないといけない。ハウスメーカーやパワービルダーのようにたくさん家をつくれるわけではない分、自分が気に入った家をつくりたい。「この家を残したいなあ」と思ってもらえる家づくり。スローガンは「100年後も愛される家」をつくることだ。
河合忠氏[カワイ建築]:町づくりに興味がある。家づくりは当然やっていくが、同時に町づくりもできるのではないか。当社は商店街の顔役のような人と東京のコンサルタントと組み、築80年くらいの建物をシェアオフィスにして若者を呼ぶ仕掛けをしている。人が集まることが重要だ。
萱森道泰氏[創住環]:集客が難しくなっている。受注が厳しいという危機感のなかで、既存のものにしがみつかずに、新しいものを探している。会社を存続させるには新しいものを少しでも取り入れ、新しい事業を開拓することが必要だ。
岩塚真氏[葵建設]:当社は名古屋の街中の会社なので、自分のいるエリアだけでは難しく、郊外の仕事もやっている。家に対し、デザインや材質にこだわりはあまりない。もちろん品質や性能はしっかりやっているが、一般のお客様の意識がそこまで高くなく、以前は苦戦していた。そこで「その人の人生にとって住宅とはどういうものなのか」というところから一緒に考えて、おこがましいが教育をするようにしている。お客様に色々情報を提供するのは大変だし、こちらに不利になることもあるが、おかげで高い層をターゲットにできるようになった。坪単価も高い。
阿部一雄氏[阿部建設]:20年後の新築着工件数を見ると、右肩下がり。愛知は現在の6割くらいにまで減る。ただ、全国ではもっと下がるところもある。「まだ6割ある」と考え、仕事をしていこうと思っている。性能や補助金だけではお客様に選ばれない。性能などは当たり前のこととして、ハウスメーカーとは違う部分を出していくようにしている。また、当社ではCLTで病院などの大型施設も受けるようにしている。
地域と人との関わりがポイント「見せ方」も重要に
編集部:皆さんのお話から、住宅の性能はある程度のレベルまで達していて、その先が重要になっているように感じた。その中の一つとして、地域と人の関わりにポイントがありそうだ。
加藤[K’z HOME]:地域の人に愛されることを大切にしている。愛されるということは顧客満足度を高めるということ。愛してもらうとメンテナンスしてもらえ、家が長持ちする。親が家を大事にすれば子供もそう思うようになる。そうやって愛されて、その方のお孫さんが家を建てるときに、当社が選ばれるようにしたい。それが100年愛されるということ。
宮田[アニバーサリーホーム]:家を建てたお客さんにとって、建てた工務店がなくなるのが一番困ること。そのために存続しないといけない。それが地域のためということでもある。当社が25分以内に仕事を絞っているのはそのためでもあって、範囲を広げればそれだけ従業員を置かないといけなくなる。売上だけ見れば、来てくれる人を全部受けたほうがいいが(笑)。
加藤[K’z HOME]:その通りで、工務店は利益だけを求めるものではない。当社では以前、リフォームして4年で汚れてしまった個所を全額当社負担で直したことがある。これはハウスメーカーではできないことだと思う。
川口[豊和住建]:うちも会社を無闇に大きくしようとは思っていない。仕事の量は大工の数で制限している。そうした中、リフォームに力を入れている。メンテナンスは重要だ。当社ではお客様回りをしている専門の社員を定期点検とは別に置いている。OB客を年2回転。そうすることでリピート率を高めている。リフォームは手間が掛かるが、うちは社員大工がいるからできる。今ではリフォームの売上が全体の半分近い。
宮田[アニバーサリーホーム]:うちは会社を立ち上げて丸12年なので、まだリピートのリフォームはなく、新規のリフォームのみ。豊和住建さんがいう新築とリフォームが半々というのは私も理想だと思う。メンテナンスでは当社は2・5年ごとの定期点検を第三者に頼んでいる。第三者の理由は、例えばクロスのひび割れなどが起きていたときに、それについて説明するのが客観的な第三者だとお客様に納得してもらえるから。あと、OB客についてはアンケートを出したり、イベントを開くなどの工夫をしている。
竹内[iiie]:当社は新築が大半。先ほどエリア内の市町村一つに必ず現場が一つあるようにしていると言ったが、それはそうすることで地元の人に当社を知ってもらうため。
大熊伸秀氏[FPコーポレーション]:今はつくるより見せる。知ってもらうことが重要になっている。何もしなければお客様にならない人たちを、いかにお客様にできるか。それができているところは伸びているように感じる。
編集部:地域の人たちにいかに工務店の良さを伝えるか。見せ方も重要になっている。
岩塚[葵建設]:うちは会社の規模を逆手にとって、個人と個人の付き合いをするようにしている。モデルハウスもない、展示場もない。そうなると、OB客さんの家に連れて行くしかない。でもそのおかげで、自然とOB客さんのところに顔出しをすることになる。OB客さんも「私も建てたときはあの人の家を見せてもらったから」と断らない。見に行くお客様も「どういう人たちが葵建設で建てたのか」を見たいという。
丹羽[丹羽明人アトリエ]:以前はホームページで情報発信をしていたが、それだけでは他社と差が出せなくなっている。最近うちでは施工中の見学会を始めている。基礎工事の段階や、左官さんが土壁を塗っている段階で現場を見てもらう。そうすると施主さんは職人の技術の素晴らしさや、こんなに一生懸命つくっているんだということを知って驚いてくれる。
加藤[K’z HOME]:これから家を建てようという方に、いかに近づいていけるか。エンドユーザーは、建築の知識を得たいんだけど、フェア(公平)に得られるところは実はあまりない。ハウスメーカーの住宅展示場に行ってもしっかり教えてくれない。じゃあ工務店のところに「教えて」と気軽に行けるのかというと、それは難しい。企業側からの情報提供は営業を警戒して身構えられてしまう。その点、新聞社には信頼度がある。「工務店は地域経済に貢献しているんだよ」と新聞社からユーザー向けに言ってほしい。
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