NPO法人日本ホームインスペクターズ協会(JSHI、東京都渋谷区)は6月17日、2015年度通常社員総会を東京都内で開催した。今年度の新たな事業として、空き家問題を検討する委員会を創設し、全国の支部と協力しながら行政機関と連携を図り具体的な対策を検討していく。また、組織拡充委員会を設け組織の拡大と活動の充実を図っていく。
長嶋修理事長は、中古住宅流通市場について「潜在的には200万戸を超えてもおかしくない」としたうえで、買い主側からの第三者性を打ち出したインスペクションを通じて市場を活性させていく考えを示し「業界、国を引っ張っていく団体であり続けたい」と強調した。
国土交通省が6月17日発表した建設総合統計によると、4月の出来高総計は前年同月比3.4%増の3兆6341億円だった。うち居住用建築工事は民間が4.9%減の1兆1318億円、公共が22.4%増の622億円だった。
建設総合統計は、国内の建設活動を出来高ベースで把握することを目的とした加工統計。
大和ハウス工業(大阪市)は、9月1日の防災の日に、津波の災害に備えて階段室屋上に緊急避難スペースを設置した3階建て賃貸住宅商品「セジュールオッツW-ev(ダブリューイーヴイ)」を発売。賃貸住宅商品のラインアップを拡充する。
同商品は、階段室を高さ約10mの鉄骨ラーメン構造のタワーとし、屋上部分に避難場所を確保する。避難した入居者をヘリコプター等から視認しやすくするために、緊急避難を知らせるSOS幕や発炎筒等を完備する予定。津波到達時の押し波や津波到達後の引き波など、水の流れを堰き止めにくい間取りを提案。外構には引き波とともに押し寄せる漂流物によって、建物および避難場所である階段室がうけるダメージを減らすための漂流物ブロックウォールを提案する。
東日本大震災では、従来の想定をはるかに超える規模の津波により、沿岸部の建物が壊滅的な被害を受けた。今後発生が予測されている南海トラフ巨大地震では、地震発生から津波発生、津波到達までの時間が短いと予測され、海岸や河川敷近くの平野部に住む人が一時的に避難するスペースを確保することが喫緊の課題となっている。同社では、各地方自治体が公表している「津波ハザードマップ」で標された津波の想定最大浸水深が5m以下の沿岸部や臨海部の土地オーナーをターゲットとした。
近鉄不動産と三井不動産レジデンシャルは、横浜市西区のみなとみらい21地区で超高層免震マンション「ブルーハーバータワーみなとみらい」(地上27階地下1階建て、総戸数355戸、販売戸数305戸)を7月中旬から販売する。同地区で最後の住宅街区物件となる。
横浜高速鉄道みなとみらい線新高島駅徒歩8分、みなとみらい駅徒歩9分のほか、多くの鉄道が乗り入れる横浜駅から約1キロ(徒歩16分)の西区みなとみらい6丁目に立地する。同地区唯一のオーシャンフロント住宅街区。
住戸面積は45~136平方メートル(1LDK~3LDK)。価格は未定だが、平均坪単価は400万円前後になる見込みだ。
国土交通省は6月17日、「病院等を対象とするヘルスケアリートの活用に係るガイドライン検討委員会」(座長・牛島総合法律事務所、田村幸太郎弁護士)の最終会合を開いた。ガイドライン案に対して一般から寄せられた意見(パブリックコメント)を紹介し、その回答案について意見を交わした。6月中に正式版を公表し、7月1日から適用開始する。
同ガイドラインは、リートの資産運用会社が病院(20床以上)の取引を行う上で整備すべき体制や、留意すべき事項などをまとめたもの。
ミサワホームグループで介護施設の運営を手掛けるトリニティ・ケア(東京都新宿区)はこのほど、同社第一弾物件「Brand New(ブラン・ニュー)杉並・高井戸」(33室)を着工した。
同社は、ミサワホームと三菱UFJリースが介護分野における共同事業を推進するために2014年4月に設立した。
「Brand New杉並・高井戸」は、介護度の高い人も入居可能な介護付き有料老人ホーム。建設地は三菱UFJリースグループが用意し、建物の設計及び施工はミサワホームが担当する。所在地は東京都杉並区上高井戸2の11。重量鉄骨造り2階建て。延べ床面積は1295平方メートル。
今年度中の完成、2016年5月の開設を目指している。
三菱地所レジデンス、三菱倉庫、東京建物の3社で開発中の高額マンション「ザ・パークハウス グラン 南青山」(東京都港区南青山、総戸数101戸)の販売住戸20戸が即日完売した。価格は1億5000万円~7億7000万円(専有面積60~222平方メートル)。20件の販売住戸に対し、193件の登録があった。
管理業務主任者試験の指定試験機関であるマンション管理業協会は6月17日、2015年度の試験を12月6日に実施すると発表した。
受験申し込みは、9月1日から30日まで郵送で受け付ける(当日消印有効)。申し込み案内書の配布は8月3日から行う。試験時間は午後1時から3時まで。受験手数料は8900円。出題の根拠となる法令などは2015年4月1日現在で施行されているもの。
合格発表は2016年1月22日。詳細は、同協会のホームページ(http://www.kanrikyo.or.jp/)を参照。
日本建材・住宅設備産業協会(建産協、東京都中央区・藤森義明会長)はこの度、都内で総会を開き、昨年度の成果報告と今年度の方針を発表した。建産協の今年度の取り組みの中心は、リフォーム市場活性化と国際標準化だ。
藤森会長は「昨年度は消費税増税後の反動が想定以上で、住宅業界は予想以上の厳しい市況になったものの、過去に例がないほどの助成策により新築・リフォームともに回復の兆しが見えてきた」と話した。
今年度も、引き続きリフォーム市場活性化に向け推進活動を行う。主に4つの取り組みで進める。①設備インスペクション制度づくり②規制緩和に向けた提言活動③生活者に向けたリフォーム紹介活動④省エネリフォームの促進活動だ。
藤森会長は「欧米ではリフォームすれば住宅の資産価値が向上する。日本でも同様になれば、金融機関もリフォーム融資に積極的になるのではないか」とし、「断熱構造や省エネ性能の高い設備機器の設置について、資産価値として適切に評価できるシステムづくりに取り組んでいる。今年度はその実証実験に基づいて、将来の住宅資産価値の評価システムを提言していく」と話した。また、市場活性化には生活者のモチベーションを高めることも重要とし、「生活者の声に耳を傾け、規制緩和などの提言に引き続き取り組んでいく」と方針を語った。
環境性に優れた日本製品の海外展開も一層促進する。昨年度、温水洗浄便座の国際電気規格に関するニュー・プロポーザル提案に成功し、国際規格制定に向けた協議が日本主導でスタートしたことに触れ、「国際標準化」を重要な方策と位置づける。
ASEAN諸国との交流促進や、日本製品・工業規格の紹介活動に力を入れていく。藤森会長は、「すでにベトナム、インドネシアで「節水技術」「窓の遮熱」などを紹介し、各国工業規格との整合性をはかっている。これらの活動を通じ日本製品の普及と、新たな国際規格づくりの際の提案力につながるものと考えている」と話した。
また、事業者向けサービスの拡大として、建材と住宅設備の電子カタログ閲覧サービス「カタラボ」を建築積算ソフトと連動し、建築設計をしながら建材や設備が確認できるシステムに発展させていくとした。
一般社団法人日本ホームステージング協会(東京都江東区、杉之原冨士子代表理事)は、住宅の資産価値を高める手法「ホームステージング」を行う専門家「ホームステージャー」の認定事業を本格化する。1回目の1級ホームステージャーの認定講習・試験を7月7、8日の2日間の日程で実施する。
ホームステージングとは米国発の概念で、住宅の売却時に不要なものを片付けたり、インテリアを整えるなどして住宅を魅力的に見せるように演出すること。中古住宅の売買が盛んな米国では、物件を高く売却する手法として一般的になっている。
同協会はこのホームステージングという概念を日本に普及させることを目的に設立された。米国でホームステージングという概念と産業を構築したバーブ・シュワルツ氏が会長を務めるホームステージング業界の団体「IAHSP」からの支援を受けながら、日本に適したホームステージングの手法を構築するとともに、セミナーや認定事業を通して普及・啓発活動を行っている。
同協会では、ホームステージングの基本的な知識を習得することを目的にした2級ホームステージャー資格認定を昨年から行っており、今回の1級資格は2級資格者を対象に実施するもの。
2級の講習・試験は毎月開催されており、住宅・不動産業界を中心に現在約50人の2級ホームステージャーがいる。