講談社のウェブマガジン「ミモレ」にML編集長下田が連載するコラム、
「インテリアの小さなアイデア」の先週掲載分をまとめて紹介!
先週分も引き続き、募集させていただいた質問にお答えしています。
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【連載100回記念】質問にお答えします!
vol.4 ~おもてなし~
続きは→ http://mi-mollet.com/articles/-/1917
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【連載100回記念】質問にお答えします!
vol.5 ~棚の上の飾り方~
続きは→ http://mi-mollet.com/articles/-/1926
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【連載100回記念】質問にお答えします!
vol.6 ~カーテン問題~
続きは→ http://mi-mollet.com/articles/-/1929
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【連載100回記念】質問にお答えします!
vol.7 ~器の収納~
続きは→ http://mi-mollet.com/articles/-/1953
日時 2015年7月6日
場所 秋葉原UDX8F会議室2(東京)
ニッセイ新大阪ビル18F会議室C(大阪)
第2回合同理事会が7月6日に、東京—大阪間でのテレビ会議形式で行われた。
この日の議題はTDA20周年記年事業、TDA構造改革について、各事業部進捗状況など。
経費節約のため行われているテレビ会議、会議内容の進行をしっかり組んでおけば、かなり効率UPになります。
記:豊方
武田純吾
アーキテクトビルダーや工務店の悩みとして、設計士によって深さの違う建物ができることで、お客様にどこまでできるかを説明しにくい部分があると思います。
お客様には、会社の考え方・設計のコンセプトなどは伝えますが、お客様がどこまで理解してくれるかも分かりにくいものですし、設計士によっても価値観が違っていたりしますのでどこまで話すか線引きが難しいと思います。
写真1枚とっても、「人が入っていたほうが生活イメージが湧く」というお客様もいれば、「これは、光の入り方、外との繋がりを指している」というお客様もいると思います。
そのため、「お客様はこの価値観を分かってくれるのか?」「わからない人に話をしても仕方がない」という考え方も分かります。
そこで、ハウスメーカーで建てた方や建売で買った方、マンションを購入した方など代表して5名の方に価値観や考え方が変わるか試しました。
実際に家を建てているので、「自分の家が一番良いと思っているであろう」という前提で行いました。
最初は、こちらの考え方など伝えず、写真やモデルハウスの意見などを聞いてみたところ写真に対しては、「人が居ない」「暗い」「どこの場所なのか分からない」という答えばかりでした。
しかし、写真の意味などをしっかりと説明し、2回、3回と会を重ねるごとに価値観が変わってきました。
感じたことは、最初からテイストが好きな方はいいのですが、元々よく分からないという方やハウスメーカーなどで建てた方も短期間で価値観を変えることができる、ということです。
自社が自ら集めたお客様でなくとも価値観を変えることができるので、様々な機関と協力し、話す機会を増やせばいいことも理解しました。
そして、自社最高の設計士基準に合わせるか、できる範囲の設計士基準に合わせて話をするということも、最終的に選ぶのは自分自身で自己責任だからということで、最高の基準をベースに話をすれば良いということでまとまりました。
そうすることで、単価が上がる可能性、お客様による設計士の育成の可能性も拡がります。
後は、誰しもがその話を熱く語ることができるように標準化し、機会を多くつくることができたら受注率も変わってきます。
見た目(デザイン)や印象だけではなく、本当に価値のある家や大切にすべきことをしっかりと伝えることが大事ですね。
武田純吾 Takeda Jungo
株式会社シンミドウ
営業戦略・ブランディングコンサルタント
大学卒業後、株式会社シンミドウに入社以来、住宅業界に特化し全国にて業績UPコンサルティングを手掛けてきた。実務派であり、経営者と理論だけを語るのではなく、経営者・現場スタッフと共に成長するSTYLE、企業風土にあった営業手法を創り上げ、成功事例を基に全てオーダーメイドで業務の提供をしている。また、「結婚式と同じ感動を」をテーマに感動の引渡しプロデュースにて約7割の施主様から感動の涙を頂いている。コンサルティング内容、引渡しプロデュースにて高い評価を得ている。
【本社】一見、何の写真か分からない方も多いのではないだろうか。我が家から車で10分ほどに新設された公園の滑り台である。
この公園は、大阪北摂地域の山を切り開いた住宅地、…
国産材需要の拡大が影響さらなる技術革新に期待 木材加工業市場が2兆円まで回復して…
「佐藤さんねえ、うちのモデルハウスに入ってくるお客さんを見ていると、おもしろいですよ」とおっしゃるのは、総合住宅展示場にちょっと変わったモデルハウスを建てた、兵庫県城崎温泉の近く、豊岡市の工務店(編集部注:里やま工房)の社長(編集部注:池口善啓社長)。
「みんな入り口でウロウロしているんです。そして玄関ドアを開けて入ってくると、すぐ私どものお客さんかどうかがわかります。入ってきてすぐ、黙ってじっと見渡して“ほう~”とか“ふ~ん”とか言って興味深そうに見渡している人はお客さんです。入るなり、こちらと目が合うと慌てたように出て行くお客さんもいます。何か違う、そう思うのでしょうね。(略)」
この会社のモデルハウスは、古い酒屋を解体した時の材料をもとに新築した。まるで古民家再生のような住宅。それを総合住宅展示場に、である。日本中にどれだけの総合展示場があるのかわからないが、このような住宅が建つ展示場はたぶんここだけだろう。
この工務店の「コンセプトブック」の最初のページに、こんなくだりがある。それはこの工務店の社長が、京都の田舎の茅葺きの古民家に住むドイツ人音楽家夫婦の暮らしを、本屋の店舗で読んだ時のショックから始まる。
「自分が歩んできた人生の中で、これほど大きなカルチャーショックを受けたことはありませんでした。私は但馬の地に暮らしながら、長い間自分の足元を見つめていなかったこと、但馬の人々の暮らしに全く関心がなかったことに気づいたのです。……そのことをきっかけに、都会にはない田舎の風景と暮らしがどんどん見えてきました。古民家に住み続ける意義についても鮮明に理解できるようになったのです」
ここからこの社長の家づくりの思想がはっきり固まり、今のモデルハウスにつながった。
このモデルハウスでは、常にこの場所らしいイベントが行われている。例えば生花の先生と弟子たちの展覧会、書道の展覧会、お茶(茶道)の教室――。ここでは、このようなイベントがよく似合うのだ。和服を着た奥様たちが期間中100人以上訪れ、向かいのモデルハウスの営業マンが入り口付近に立って、来られるお客様にあいさつをする。
(略)普通なら大手ハウスメーカーに来たお客様が、ついでにこちらも見に来てくれることを、期待するのではないだろうか。しかしここでは逆である。この工務店に来たお客様を、大手がなんとか自分たちのモデルハウスに呼び込もうと一生懸命なのである。
この工務店の完成見学会はチラシを5万枚ほどまき、後はホームページで案内するだけなのだが、常に100組以上、ときには200組以上の来場者がある。人口5万人ほどの町なのに、である。社歴はまだ10年しか経っていないのに、すでに1年先までの受注がほぼ決まっている。
「住宅マーケティングの教科書-建て主の実例調査から見えてきた『らしさ』がつくる『新・価値創造』戦略」より
※里やま工房は「新・価値創造」戦略構築セミナーにゲスト工務店として参加します。
安成さんが昭和63年、32歳で先代から会社を引き継いで27年になった。彼ほど「地域住宅会社(工務店)のビジネスモデル」を一所懸命考え、一つの形を作った経営者はいないのではないだろうか。
「地域循環」と一口で言うが地域の木を使い、地域のために、地域の人たちと一緒になってビジネスの形を作り上げた工務店業界最初の人ではないだろうか。安成工務店の使用する木は大分県上津江村にある「津江杉」が大半である。地元の材木会社トライウッドが伐採し、製材した材木の30%以上は安成工務店に供給される。全て天然乾燥材である。(略)
材木だけではない。安成工務店で使用されている住宅の断熱材は全て新聞紙をリサイクルした「セルロースファイバー」である。安成工務店が経営する「デコス」という会社が作っているが、この材料に使われている新聞紙の一部は、地元のNPO法人、「e小日本(えこにっぽん)きくがわ」が供給している。
NPO法人が各町内のPTAや老人クラブ、自治会などに委託して古新聞を回収し、その対価として町内で使用できる地域通貨「エコロ」を提供する。町民はこの地域通貨を使って町内の商店街で買い物ができる。商店主のところに来たエコロは、セルロースファイバーの会社「デコス」が現金に換えてくれる。町民のリサイクル意識と商店街の活性化の一翼も担っている。
このNPO法人の理事長は元町長、副理事長に安成さんが就任している。この活動は、資源の地域循環型社会をめざす、いわゆる「リサイクル活動」「ゼロエミッション活動」としても、全国でも初めての試みとして注目されてきた。地域住宅会社としてここまで取り組んでいる例はまずないのではないだろうか。
「まだまだ大きな運動にはなっていません」と安成さんは言うが、こういう試みに真っ先に取り組んでいるその姿勢は、単に地域の工務店の範囲を超えている。本当に地域の発展を考え、貢献しなければ、という強い気持ちがなければとてもできることではない。
その彼の企業人としての姿勢は、「雨水利用」、間伐材・廃材を利用した「ペレット製造」「低炭素住宅」など、環境共生住宅にすでに25年以上も前から取り組んでいることを見ていてもよくわかる。常に新たな取り組みへの挑戦の歴史である。
「新建材の家づくりから、自然素材の家づくりに転換して18年。健康で快適・安全な家づくりを考えると、天然乾燥材を使いセルロースファイバー断熱材を充填した『呼吸する木の家』が最適解だと確信しました。そんな家づくりを通じて、ものをつくる人々が評価される社会や地域の助け合いの心など、我々が失ったものを取り戻す役目を地域の工務店として果たしたい」とおっしゃる安成さんの挑戦はこれからも続く。
「住宅マーケティングの教科書-建て主の実例調査から見えてきた『らしさ』がつくる『新・価値創造』戦略」より
※安成工務店は「新・価値創造」戦略構築セミナーにゲスト工務店として参加します。
「やあ、いらっしゃい。外は寒かったでしょう。さあさ、お入んなさい」。この表現がこれほど似合う工務店の経営者を見たことがない。
白い歯を見せながら、ニコニコしたその顔には本当に旧知の友人、子供、孫たちを迎え入れる時と同じ気持ちがあふれている。そう、この対応はモデルハウスにお客様が初めて訪れた時の原田会長のいつもの姿である。原田会長は土日には必ず本社の前にあるモデルハウスにいる。土日に来られるお客様に、先のような感じで対応している。お客様はその言葉につられるように「こんにちは」と友達か親戚の家に来たような気持ちになって(?)入っていく。
「うちに来るお客様はねえ、必ずといっていいほど1時間以上、長い時には3時間くらい居てくれますよ。余程居心地がいいようです。みんな友達みたいな感じでね」。原田会長は初めてのお客様に決して名刺を出すことはない。
「だってねえ、名刺出して名乗ってからだと、どうしてもセールスしているみたいじゃないですか。それより、本当によく来てくれました、という気持ちで接することが大切でしょ。こんな一軒だけ建っているモデルハウスに来られるんだから家の新築か改築を考えている人に決まっているじゃないですか。そんな人に家を建てるんですか?と聞くのは変でしょう。ゆっくり気が済むまで見ていただいて、いろいろお話を聞いてやることが必要です。家を建てるなんて初めてのことだから何もわからないのです。だからみんな心配していることを、気になることをきいてほしいのですよ。そのためにはお客様にまず、リラックスしてもらって、話しやすい雰囲気を作ってあげることが大切です」
入って来られたお客様に彼は、「まあどうぞ、こちらにおかけください。何か温かいものでも飲みませんか。何がいいです」とニコニコしながら居間のソファに座ってもらう。決して、とりあえず着座してもらうことが大切、それからいろいろ聞くこと、というような、どこかで聞くノウハウ的な雰囲気は、みじんもない。
(中略)
原田会長からこんな話を聞いたことがある。
「まだ独立して間もないころでした。地域の子供たちに工作教室をと思って、チラシを作って夏休みのラジオ体操をしている神社の境内に、朝早く行ってチラシを渡そうとしたのです。ところが子供たちから冷たい目でにらまれて、一人もチラシを受け取ってもらえませんでした。とてもみじめな気持ちになりました。そんな日が何日も続きました」
その「工作教室」は今やこの地域の子供たちの夏の宿題をするためになくてはならないモノになっている。毎年親子で100組くらい、盛況である。
地域の人たちのことをよく知っている原田会長。モデルハウスに来られる多くの人が会長のことを知っている。だから安心していろいろ相談に来る。全く知らない人の場合でも、よく知っている人と同じように接するから、いつの間にかリラックスしてゆっくりと、モデルハウスで楽しい時間を過ごしてくれる。
このモデルハウスには「もてなしの家・ほのか」という名前がついている。アンシン建設工業の「もてなしのこころ」が一杯つまった家である。
「住宅マーケティングの教科書-建て主の実例調査から見えてきた『らしさ』がつくる『新・価値創造』戦略」より
※アンシン建設工業は「新・価値創造」戦略構築セミナーにゲスト工務店として参加します。